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紫禁城(故宮)の歴史と経緯 人気中国ドラマとの関連性についても説明!

中国ドラマ専門家

中国ドラマ歴5年。中国版大奥に始まり、現代版の恋愛物や陰謀論系等様々試聴してきました。このブログでは単にドラマレビューを公開するだけではなく、中国の文化や歴史的背景が内容の展開にどのように影響を与えるのかに関しても考察をしております。

学びを求めている方には面白いと思いますし、中国ドラマの内容が理解しづらい、という方にも何かしらのお役に立てるのではないかと思います。

紫禁城(故宮)は中国の観光地の1つですが、中国ドラマの撮影場所でもあります。
内ドラマを観ていても同様ですが、いわゆる「セット」(背景)は作品を盛り上げる上でとても重要な要因になると感じることがあります。日本の季節で言えば夏の暑い時期の蝉が鳴く雰囲気のセット、あるいは秋が来る手前の涼しくなる直前の風情。演者の演技が一番であることはさることながら、背景というのは我々視聴者が受ける印象をより一層高めることになるのは間違いありません。
中国の場合、古代王朝は北部であることが多かったこともあり、冬の酷寒が映し出されることが多いように感じます。数多くのドラマで雪が燦々と降る中で主人公やヒロインがクライマックスを迎える、まさに心に突き刺さるシーンの連続であるように感じます。
そんな中で紫禁城(現:故宮)という場所があるのは、中国ドラマ好きなあなたであればよくご存知のことと思います。私自身、これまで10を超える中国の地域を訪れていますが、北京が初中国の地で、勿論故宮を訪れました。確か当時はスタバ(Starbucks)がまだ営業していたのをうっすらと記憶しています。(極めて余談ですが・・・。)※ネット上にも写真がありました。(サムネに貼ってます。)
さて今回は、そんな紫禁城について調査結果をお伝えしていきたいと思います。
この記事で共有できる事
1. 紫禁城に関する歴史と文化
2. 中国ドラマにおける紫禁城の存在価値
3. 紫禁城にまつわる中国ドラマの紹介

紫禁城の歴史的変遷

紫禁城は中国の北京にある歴史的な宮殿であり、その歴史的変遷は中国の帝政時代を反映しています。

紫禁城の建設は1406年に始まり、1420年に明の永楽帝によって完成されました。この宮殿は四方を城壁で囲まれ、約980の建物から成り、広さは約72万平方メートルに及びます。初めは明の皇帝の宮殿として使用され、その後清の順治帝が紫禁城を奪取し、清朝の宮廷として使用しました。

清の皇帝は紫禁城を政治的中心地とし、北京を中心とする広大な帝国を統治しました。紫禁城は宮殿の他にも、皇帝や皇族の住居、政庁、官庁、宮廷の宴会場、礼拝堂など多様な機能を持ち、帝国の行政・文化・宗教活動の中心地として機能しました。

その後、1911年の辛亥革命によって清朝が倒れると、紫禁城もその機能を失いました。1912年に中華民国の成立とともに紫禁城は一般公開され、宮殿としての役割を終え、歴史的な遺産として保存されるようになりました。

紫禁城はその壮大な建築様式と歴史的背景から、世界遺産としても登録されており、中国文化の象徴的存在として広く認知されています。現代では、紫禁城は観光客に開放され、中国の歴史や文化に興味を持つ人々にとって、重要な見学地となっています。

紫禁城の歴史的変遷は、中国の帝政時代の栄華と衰退を物語る重要な要素であり、その壮麗な建築と豊かな文化遺産は、今日の中国文化の深い理解と研究の対象となっています。

紫禁城の芸術と文化

紫禁城は、その壮麗な建築だけでなく、豊かな芸術と文化も象徴しています。

紫禁城の芸術と文化は、その建築物、装飾、そして収蔵された多くの美術品や工芸品によって表現されます。建築様式は明清時代の伝統的な中国建築を反映し、対称的なレイアウト、曲線美を持つ屋根、彫刻や絵画で装飾された壁面が特徴です。また、宮殿内部には精巧な彫刻や漆器、翡翠で作られた装飾品などが豊富に存在し、その多くは皇帝や皇族の日常生活を彩るために作られました。

紫禁城の文化的な重要性は、その美術品や書画、陶磁器などを通じて見て取れます。宮殿内の多くの宝物や芸術作品は、中国の美的観念や宗教的信念、また皇帝の政治的象徴としての役割を反映しています。例えば、明清時代の名画や書籍、詩文、また宮廷での宴会や儀式に使用された銀製品や翡翠の玉器などがあります。

また、紫禁城は文化的なイベントや伝統的な儀式の舞台でもありました。例えば、年に一度の清明節や中秋節には、宮廷で重要な儀式や祭典が行われ、その際には特別な衣装や飾りが使用されました。これらの儀式は、宮廷の文化的なアイデンティティとして重要な役割を果たしており、紫禁城が中国文化の象徴的な中心地であったことを示しています。

紫禁城はまた、その庭園や自然環境も重要な文化的要素です。庭園は中国の風水や自然の調和を重視した設計がなされ、水景や景観の美しさが際立っています。これらの庭園は、皇帝や宮廷のための隠れ家としての機能も果たし、宮廷生活の一部として重要な役割を果たしました。

総じて、紫禁城の芸術と文化は、その建築物や美術品、宮廷の生活様式を通じて、中国の歴史的な栄光と文化的な深さを象徴するものです。



紫禁城を背景にした中国ドラマの美術観

紫禁城を背景にした中国ドラマは、その美術と歴史再現において、豊富な文化的背景と歴史的正確さを追求することが特徴です。

まず、紫禁城の美術デザインは、建築様式や装飾に大きな注意が払われています。ドラマの美術チームは、明清時代の宮廷建築の詳細な研究を行い、紫禁城の特徴的な対称的なレイアウト、紅白の壁、曲線美を持つ屋根、そして精巧な彫刻や漆塗りの装飾を忠実に再現します。これにより、視聴者は当時の宮廷の壮大さと厳粛さを感じることができます。

また、ドラマの衣装デザインも重要な要素です。宮廷の皇帝や皇后、宮女、宦官たちの衣装は、当時の服飾の様式や色彩、素材を再現し、高度な職人技術が投入されています。紫禁城の宴会や儀式の場面では、特に豪華で華麗な衣装が使用され、宮廷の華やかさと格式の高さが描かれます。

歴史的な再現においては、紫禁城の日常生活や儀式、また皇帝と皇族の生活様式が詳細に描写されます。これには、宮廷の礼儀作法、日常の行事、さらには政治的な会議や謁見の場面などが含まれます。ドラマは歴史的文献や資料を基にしており、細部にわたるリサーチが行われ、視聴者に信憑性の高い再現を提供します。

紫禁城を背景にした中国ドラマの美術と歴史再現は、視覚的な魅力と歴史的な教育効果を兼ね備えています。視聴者は、このようなドラマを通じて、中国帝政時代の社会構造や文化的背景を理解し、紫禁城が持つ重要性と豊かな歴史的遺産に触れることができます。そのため、これらのドラマは単なるエンターテイメントに留まらず、文化的財産の保存と啓蒙の役割を果たしています。

では、ここからは紫禁城を代表するドラマを3作品紹介してみたいと思います!

紫禁城に関連するドラマの紹介

如懿伝 〜紫禁城に散る宿命の王妃〜

ヒロインの如懿を演じるのは、中国4大女優の1人であるジョウ・シュンです。彼女は、『女帝[エンペラ—]』やハリウッド大作『クラウド アトラス』などで幅広く活躍し、演技力で多くの賞を受賞しています。本作では、如懿の波乱万丈な人生を少女時代から老境まで演じ切り、その演技力が高く評価されています。

乾隆帝を演じるのは、台湾出身のトップスター、ウォレス・フォです。彼は「女医明妃伝~雪の日の誓い~」などのヒット作で知られ、今や中国時代劇を代表する俳優です。本作では、如懿への純粋な愛と後宮の妃たちとの葛藤をカリスマ溢れる存在感で表現し、視聴者を魅了しました。その人気は、彼のWeiboアカウントが閉鎖されるほどの熱狂ぶりです。

ドラマの中では、如懿が後宮の厳しい環境で皇帝への愛を貫き、皇后の座へと上り詰める姿が描かれています。彼女は妃たちの嫉妬や陰謀に立ち向かいながらも、一途に皇帝を愛し続け、強い意志と潔い決断力で困難を乗り越えていきます。その凛とした生きざまは、多くの視聴者に共感と感動を呼び起こし、現代女性にも生きるヒントを与えています。

如懿は、幼なじみとして慕い合った乾隆帝と共に、後宮での試練を乗り越えていきます。彼女は他の妃たちや侍女の陰謀や裏切りに直面しながらも、決して屈することなく、自らの信念を貫き通します。その過程で、如懿は最も愛情深く寛容な皇后としての地位を確立し、後宮での権力闘争にも負けない強さを見せます。

このドラマは、清朝最盛期の時代を背景に、実在の皇后を描いた宮廷時代劇の最高峰です。豪華キャストによる演技バトル、完成度の高い脚本と演出、そして壮麗な世界観が視聴者を引き込み、絶大な評価を得ています。作品は中国及びアジア圏でメガヒットを達成し、世界的な人気を誇っています。

瓔珞

〜紫禁城に燃ゆる逆襲の王妃〜

『瓔珞(えいらく)』は総製作費96億円を投じた中国の宮廷時代劇です。主人公の魏瓔珞は、後宮で姉の死の真相を探るために数々の試練を乗り越えます。富察皇后の弟・傅恒を犯人と疑いながらも彼に惹かれ、乾隆帝からも愛されるようになります。瓔珞は妃や女官たちの陰謀を知略でかわしながら皇后の座に上り詰めるサクセスストーリーで、多くの視聴者を魅了しました。ウー・ジンイェンが演じる瓔珞の強さと決断力は、現代の女性たちにも共感を呼び起こしています。

本作は清朝最盛期の実在の女性をモデルにしており、視聴者からの動画投稿やSNSでも爆発的な人気を集めました。瓔珞を演じたウー・ジンイェンは熱狂的なファンを獲得し、一躍トップ女優となりました。また、富察皇后役のチン・ラン、乾隆帝役のニエ・ユエンなど共演者もスターダムを駆け上がりました。プロデューサーのユー・ジョンが手掛けた本作は、大物スターに頼らず純粋な作品力で世界的大ヒットを達成しました。

この2作品は間違いなく中国だけではなく世界的に知名度がトップクラスの作品であると言えると思います。私自身もそれぞれを視聴していますが、それぞれの個性が出ている内容で見応えがありました。「感動」という月並みな表現では収まらない、史実に基づいた内容をある意味学ばせてもらえる、そんな感情にすらさせてもらえたと思っています。

宮廷の諍い女

『宮廷の諍い女』は、清朝時代の宮廷を舞台にした中国の歴史ドラマで、女性たちの愛憎と権力闘争を描いた作品です。主人公の甄嬛(しんけん)は、家族のために後宮に入るも、次第に自身の知恵と美貌で宮廷内の陰謀を乗り越えていきます。彼女は皇帝の寵愛を受けるが、後宮の妃や女官たちとの熾烈な競争に巻き込まれ、愛と権力の狭間で葛藤します。

物語は、甄嬛が後宮で生き抜くために知恵を駆使し、時には策略を用いながら皇后の座を目指す姿を描いています。彼女は愛する者たちを守り抜くため、また自身の地位を確立するために多くの試練を乗り越え、時には敵をも味方に変えていきます。

ドラマは、豪華なセットや衣装、美術にこだわり、時代考証にも力を入れています。特に、清朝の宮廷生活や風俗、文化を忠実に再現することで視聴者を魅了しました。また、主役を演じた孫儷(スン・リー)の卓越した演技力が高く評価され、彼女はこの作品を通じて一躍トップ女優の座を確立しました。

当作品は中国国内外で大ヒットし、各種ドラマ賞を受賞しました。緻密な脚本と演出、そしてキャストの素晴らしい演技が相まって、多くの視聴者に愛される作品となりました。特に、女性たちの強さと美しさ、そして宮廷内の複雑な人間関係を描いたこの作品は、視聴者に深い感動と共感を呼び起こしました。

本作は、権力と愛の狭間で揺れ動く女性たちの姿を描いた壮大な物語であり、歴史ドラマとしての完成度の高さとエンターテインメント性の両立を実現した作品です。その魅力は、時代を超えて多くの人々に語り継がれています。

個人的にはこの作品にハマっていまして、ヒロインを演じる孙俪の演技は圧倒的な安定感で、他の演者もハラハラドキドキさせるような気持ちにさせてくれます。2008年の作品で上記2作と比べると少し古い為若干画質の面で違いを感じる部分はありますが、内容は間違いなく圧倒的であると思います。全75話という、日本のドラマで言えば6クール分に該当する長大作に値する内容であることも、清朝の一つ一つの史実を突き詰めて描いている内容であると言えるでしょう。

まとめ

今回は紫禁城(故宮)とそれに関連するドラマについて紹介致しました。中国というと近くて遠い国と思われる人も多いかもしれません。私のような、学生時に中国語を学ぶ大学を専攻した人間は比較的ハードルが低い部分はありますが、是非多くの方に中国ドラマに触れて頂いて、実際に現地を訪問してもらえたら嬉しいなと感じます。そのとっかかりに今回紹介した作品をご覧になってくださると嬉しいです!!



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