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中国四千年の歴史と貿易の深い関連性 是非視聴してほしい中国ドラマの紹介も!

中国ドラマ専門家

中国ドラマ歴5年。中国版大奥に始まり、現代版の恋愛物や陰謀論系等様々試聴してきました。このブログでは単にドラマレビューを公開するだけではなく、中国の文化や歴史的背景が内容の展開にどのように影響を与えるのかに関しても考察をしております。

学びを求めている方には面白いと思いますし、中国ドラマの内容が理解しづらい、という方にも何かしらのお役に立てるのではないかと思います。

中国ドラマと貿易に関してまとめた記事になります。
最後に作品紹介もしています!
中国ドラマ初心者の男性
中国ドラマ初心者の男性
中国ドラマって宮廷、日本でいうところの大奥の割合が高いね。男の僕には少し分かり難いや。
確かにね。皇帝と後后の話って基本は同じだから飽きる人がいるのも分かる。
中国ドラマ初心者の女性
中国ドラマ初心者の女性
というわけで、今回は宮廷ドラマ以外の歴史ドラマに関して調査をしてみることにしました。
さて、「貿易」は中国4千年の歴史の中でも最も重要なツールであったと言っても過言ではないと思います。私自身も海外と貿易をしていますが、自国で生産できないあるいは金額に見合わない生産材を海外から買い付けることで得られる付加価値こそが貿易の醍醐味です。
ではまず中国の貿易の歴史に関してまとめてみたいと思います。

シルクロードの影響と発展

シルクロードは、古代から中世にかけて中国と西方を結ぶ重要な交易路であり、歴史上のさまざまな時期において、中国と他の文明との間で物品、文化、知識が交換される重要な経路でした。シルクロードの発展とその影響は、多岐にわたる分野で顕著に見られます。

シルクロードの成立と発展

シルクロードは紀元前2世紀に漢の武帝によって正式に開通されました。この時期、中国は絹、茶、陶磁器などの高価な商品を西方に輸出し、代わりに馬、金銀、ガラス製品などを輸入していました。シルクロードは地理的に広大であり、陸路と海路に分かれていました。陸路は東アジアから中央アジア、さらに西アジアを経て地中海に至り、海路は南シナ海からインド洋、そしてペルシャ湾や紅海を通じて地中海に達しました。

経済的影響

シルクロードは、中国と他の地域との経済的なつながりを深めました。特に中国の絹は非常に高い評価を受け、ヨーロッパや中東の市場で高値で取引されました。このため、シルクロードは中国に大きな富をもたらし、経済発展を促進しました。また、交易を通じて商人たちは遠方の地と接触し、新しい市場や商品を発見する機会を得ました。この相互作用は、技術や農作物の伝播をも促進しました。例えば、中国の製紙技術や火薬はシルクロードを通じて西方に伝わり、一方で胡椒や香料などの異国の産物が中国に紹介されました。

文化的影響

シルクロードは、単なる物品の交易路に留まらず、文化の交流と伝播においても重要な役割を果たしました。仏教はインドから中国へシルクロードを経て伝わり、広く普及しました。仏教の教義だけでなく、仏教建築や美術もシルクロードを通じて中国に伝わり、敦煌や長安などの都市には多くの仏教遺跡が残されています。

また、シルクロードを通じて異文化の影響を受けた結果、中国の芸術や音楽、文学にも多様な要素が取り入れられました。特に唐代には、シルクロードを通じてアラビア、ペルシャ、中央アジアから多くの文化的影響が流入し、唐詩や絵画にその影響が見られます。

技術と知識の伝播

シルクロードは、技術や知識の伝播にも重要な役割を果たしました。中国の製紙技術や印刷技術はシルクロードを通じて西方に伝わり、イスラム世界やヨーロッパにおいて大きな影響を与えました。また、アラビア数字や医学、天文学の知識もシルクロードを通じて中国に伝えられ、科学技術の発展に寄与しました。

明朝時代の海上貿易と鄭和の遠征

明朝時代(1368-1644)は、中国の海上貿易が大きく発展した時期であり、特に鄭和(1371-1433)の遠征はその象徴的な出来事です。鄭和の航海は、中国の国際的影響力を拡大し、経済と文化の交流を深めました。この時代の海上貿易と鄭和の遠征について詳しく見ていきましょう。

明朝時代の海上貿易の背景

明朝初期、洪武帝(朱元璋)は国内の安定を優先し、海禁政策を導入しました。この政策は、外国との貿易を制限し、沿岸地域の治安を保つことを目的としていました。しかし、洪武帝の死後、永楽帝(朱棣)が即位すると、彼は政策を転換し、積極的な対外貿易を推進しました。これには、経済的利益の追求とともに、中国の威信を示し、国際的な関係を強化する狙いがありました。

鄭和の遠征

永楽帝の命を受けた鄭和は、1405年から1433年までの間に7回にわたり大規模な航海を行いました。鄭和の艦隊は、当時の最新鋭の技術を駆使した巨大な船団であり、数百隻の船と数万人の乗組員を擁していました。

第一回遠征(1405-1407年)

鄭和の最初の航海は、インド洋を横断し、東南アジアの諸国、インドのカルカッタ、セイロン島(現在のスリランカ)などを訪れました。この遠征の目的は、明朝の威信を示し、貿易関係を樹立することでした。各地の王朝は鄭和の艦隊を歓迎し、多くの贈り物を贈ることで中国との友好関係を強化しました。

後の遠征

鄭和の航海は続き、ペルシャ湾や紅海を経てアフリカ東海岸のモガディシュやマリンディまで到達しました。これにより、中国はインド洋全域にわたる広範な貿易ネットワークを築きました。鄭和の航海は単なる貿易活動にとどまらず、文化的な交流も深めました。彼の艦隊は、各地で中国の工芸品や技術を紹介し、逆に現地の文化や物産を持ち帰りました。

経済的影響

鄭和の遠征は、中国の海上貿易に多大な経済的利益をもたらしました。香料、薬草、宝石、象牙などの貴重な物産が中国に持ち込まれ、中国の絹や陶磁器が遠方に輸出されました。この交易は、明朝の財政を潤し、国内経済の発展にも寄与しました。また、鄭和の遠征は中国の造船技術や航海術の向上にも貢献しました。

文化的影響

鄭和の遠征は、異文化との交流を深め、中国国内の文化的多様性を促進しました。イスラム教徒であった鄭和は、イスラム世界との関係を強化し、宗教や学問の交流を促進しました。中国にはイスラム教徒の商人や学者が訪れ、逆に中国からも多くの知識や技術がイスラム圏に伝わりました。

遠征の終焉とその後

鄭和の死後、明朝は再び海禁政策を強化し、遠洋航海を中止しました。これには、国内の財政問題や内政の安定を図る意図がありました。鄭和の航海は一時的なものであり、その後の明朝の対外政策は内向きとなりました。しかし、鄭和の遠征は、中国の海上貿易の黄金時代を象徴するものであり、その遺産は後世に大きな影響を与えました。

19世紀末の清朝の貿易改革と近代化の試み

19世紀末、清朝は外国勢力の圧力と内部の問題に直面し、生存と発展のために貿易改革と近代化を進める必要に迫られました。これらの改革と試みは「洋務運動」として知られ、清朝の存続と近代国家への変貌を目指した重要な過程でした。

背景

清朝はアヘン戦争(1839-1842)の敗北と南京条約(1842年)によって、多くの不平等条約を結ばされました。この条約により、広州、厦門、福州、寧波、上海の5港が開港され、外国商人が自由に貿易を行えるようになりました。さらに、アロー戦争(1856-1860)の結果、天津条約と北京条約が締結され、さらなる港の開放と外国人の特権が認められました。これにより、清朝の伝統的な経済システムは崩壊し、経済的な自立性が失われました。

洋務運動の開始

洋務運動(1861-1895)は、西洋の技術と知識を取り入れ、清朝の軍事力と経済力を強化することを目的としていました。この運動は、特に曽国藩、李鴻章、左宗棠などの官僚たちによって推進されました。

軍事改革

洋務運動の初期段階では、主に軍事力の強化が図られました。外国からの兵器や技術を導入し、近代的な軍艦や砲台を建設しました。また、外国人の軍事顧問を招き、軍事訓練や戦術の近代化も進められました。代表的な成果として、福州造船廠や上海の江南製造総局が設立され、これらの施設で軍艦や兵器が製造されました。

経済・産業改革

軍事面での成功を受けて、経済・産業の近代化も進められました。鉄道、鉱山、電信などのインフラが整備され、近代的な工場や企業が設立されました。これにより、清朝の産業基盤が強化され、国内の生産力が向上しました。特に、李鴻章が主導した招商局や漢陽製鉄所は、近代的な経済発展の象徴となりました。

教育と科学技術の導入

洋務運動はまた、教育改革も伴いました。西洋の科学技術や知識を学ぶために、多くの留学生がヨーロッパやアメリカに派遣されました。さらに、外国語学校や技術学校が国内に設立され、新しい知識と技術が導入されました。これにより、新しい専門家や技術者が育成され、清朝の近代化に貢献しました。

限界と失敗

洋務運動は一定の成功を収めましたが、いくつかの限界と失敗もありました。まず、改革は主に軍事や経済の表面的な部分に留まり、政治制度や社会構造の根本的な改革には至りませんでした。また、伝統的な保守勢力の抵抗もあり、改革は一貫性を欠いていました。

さらに、日清戦争(1894-1895)の敗北は、洋務運動の限界を露呈しました。日本の明治維新に比べ、清朝の改革は遅れを取り、軍事的にも経済的にも劣勢に立たされました。この敗北は、清朝のさらなる弱体化と外国勢力による支配の強化を招きました。

ここまで、ざっくりですが中国の貿易における歴史を考察してきました。では、実際に貿易にスポットを当てた中国ドラマを挙げてみたいと思います。

月に咲く花の如く(原題:那年花开月正圆) 

実は私が初めてハマったドラマなのですが、簡単にあらすじをまとめてみたいと思います。

「月に咲く花の如く」は、2017年に中国で放送された大ヒット歴史ドラマです。主演は「ミーユエ 王朝を照らす月」でも知られるスン・リーで、貧しい大道芸人の娘から大豪商へと成長するヒロイン、ジョウ・インを演じます。彼女は商才を発揮し、困難を乗り越えながらも成功を収めていく姿を描かれます。共演にはピーター・ホーやチェン・シャオが名を連ね、物語は清末民初の時代背景を忠実に再現しています。

本作は、総制作費68億円を投じて5万平方メートルの巨大セットを作り、CGを使わずに街並みをリアルに再現しました。放送開始とともに視聴率1位を獲得し、オンラインでの視聴回数も136億回を超える驚異的な数字を記録しました。特にスン・リーの演技力は多くの視聴者を魅了し、彼女のキャラクターが困難を乗り越える姿に多くの共感を呼びました。

ドラマの見どころは、愛と成長をテーマに、ジョウ・インが幾多の試練を通して成長し、大商人としての地位を築く過程です。彼女の人生は、商売の才能と人間関係の築き方、そして困難に立ち向かう姿勢が描かれており、多くの視聴者に感動と勇気を与えました。また、華やかな衣装や当時の風俗を細部まで再現した美術面でも高い評価を受けています。

さらに、このドラマはスン・リーの他にもピーター・ホーやチェン・シャオといった実力派俳優が出演しており、それぞれのキャラクターの深みが物語をさらに豊かにしています。特にピーター・ホーが演じるシェン・シンとの関係性や、チェン・シャオが演じるデイヴィッド・ホアンとの友情やライバル関係が物語に緊張感と深みを加えています。

「月に咲く花の如く」は、豪華な制作と感動的なストーリーで、中国のみならず世界中の視聴者に愛されています。このドラマは、歴史と人間ドラマを融合させた傑作であり、見る人に深い感動と共感を呼び起こします。

私が特に好きなシーンがあるのですが、何度見ても涙腺が緩くなってしまいます。少し長いですが、一連の内容をご覧頂ければご理解頂けると思います。

それがコチラ!

孙俪が演じる貿易商の周莹が、取引先に対して見せるシーンは、本当に名シーンだと言えます。お金を稼ぐことの大切さを示すだけでなく、それ以上に人間としての本質や価値観を心に刻むような感動的な演出と見事な演技が光ります。このシーンは、視聴者に対して深い共感と感銘を与え、物語全体における重要な瞬間となっています。周莹の強さや知恵が際立つことで、物語に一層の深みを加えています。

物語の中で、お金を稼ぐことの重要性が描かれていますが、それ以上に、周莹のキャラクターを通して、誠実さや人間らしさ、そして信頼の価値が強調されています。彼女の取引先に対する対応は、単なるビジネスの枠を超え、人間関係の本質や信頼の重要性を視聴者に考えさせるものです。このシーンは、感動的でありながらも、商業的な成功と人間関係のバランスを見事に描いています。

スン・リーの演技は、彼女のキャラクターが直面する困難や試練をリアルに表現しており、視聴者に強い感情を呼び起こします。彼女の演技は、このシーンを一層感動的なものにし、視聴者の心に深く刻まれます。この名シーンは、ドラマ全体の中でも特に印象的であり、観る者にとって忘れられない瞬間となります。彼女の演技力と物語の強力なメッセージが融合し、視聴者に深い影響を与えています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、中国の貿易とその歴史的背景について詳しく掘り下げ、中国ドラマの魅力とその重要性を紹介させていただきました。貿易が中国の経済や文化に与えた影響は計り知れず、ドラマを通じてその深い繋がりを感じ取ることができます。このブログでは、今後も中国ドラマを中心に、歴史や文化、経済など様々な視点から興味深い記事をお届けする予定です。

中国ドラマの奥深さをさらに探求し、皆様に新たな発見と楽しみを提供できればと思っていますので、ぜひ引き続きご愛読いただければ幸いです。また、皆様からのコメントやフィードバックもお待ちしておりますので、お気軽にご意見をお寄せください。今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

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